文・田中利典. 「スアール・アグン」。1990年代から2000年代までにバリ島を訪れた日本人でその名前を聞かなかった人はいなかったように思う。それはその名の通り「偉大な光」であったのではないか。 僕が初めてバリ島を訪れたのは2002年のこと。まだウブドも古臭さを残し、暗い電灯、がら空きの道、携帯電話もまだ出始めのころで、多くの人間が「Wartel」という今ではその存在さえ嘘だったかのような公共電話屋さんが当たり前に存在する時代だった。 「地球の歩き方」を片手に歩き回る貧乏旅行人だった僕は、その本で「Jegog」という楽器、「Suar Agung」という楽団、そしてそれを率いる“スウェント
記事


